BOOM BOOM, OUT GO THE LIGHTS (Lewis)


No kiddin' I'm ready to fight
I've been lookin' for my baby all night
If I get her in my sight
Boom boom! out go the lights
ふざけんなよ! 俺は戦う用意はできてるぜ
一晩中俺のベイビーを探してたんだ
もし彼女を見つけたら
バーン、バーン、(ガンが)火を噴くぜ
I thought I treat my baby fair
Now she's kiddin' all in my hair
If I get her in my sight
Boom boom! out go the lights
俺はベイビーを正当に扱ってたハズだ
さて彼女は全部俺の髪の毛の中でふざけやがる
もし彼女を見かつたら
バーン、バーン、(ガンが)火を噴くぜ
No kiddin' I'm ready to go
When I find her boy don't you know
If I get her in my sight
Boom boom! out go the lights
ぶざねんなよ!俺は行く用意ができてるぜ
俺が彼女の男を見つけたら、わかんないかい
もし彼女を見かつたら
バーン、バーン、(ガンが)火を噴くぜ
I never been so mad before
When I found out she ain't mine no more
If I get her in my sight
Boom boom! out go the lights
俺はこんなに興奮したことがないぜ
彼女がもう俺のものじゃないことがわかったら
もし彼女を見かつたら
バーン、バーン、(ガンが)火を噴くぜ

1955年に chess からリリースされた Little Walter の曲。 時期的には Muddy Waters のバンドを抜けた直後になり、他に Juke とか Sad Hours, Off The Wall, Blues With a Feeling 等のヒットを出しているらしい。 もっともブルース・ファンにはこの時期の Little Walter はあまり評判がよくない。 確かに彼をマウスハープ(ハーモニカ)奏者として捉えるなら Muddy Waters のバンド時代がベストかもしれない。 しかし時代的にも'50年代後半の R&R を目前に控え、すでにこんな Punk な曲を唄っていたってのもスゴイじゃないか。

ストーリーはこんな感じだろうか・・・

彼女を誰かに寝取られた男がガンを手に彼女を探しまわっている。冗談じゃない、彼女の為に一生懸命働いてるってのに、彼女ときたら他の男と仲良くしてるに違いない。見つけ次第このガンをぶっぱなしてやる・・・ 大体そんなところだが、ブルースの歌詞は二重にも三重にも暗意を秘めている。

例えばこの曲を聴いた同時代の黒人は彼女を寝取った男は白人だと暗黙のウチに了解しただろう。 白人の男は大抵、彼女らを性の玩具として弄ぶだけだ。 それは黒人男性の威厳を損ねている。 だからこの唄の主人公にはガンをぶっぱなす正当な理由があるワケだ。

しかし何故ぶっ放す相手が彼女なのだろうか?

Mudy Waters の I'm Ready と対比させると面白いかもしれない。 Mudy は「俺は用意が出来てるぜ!誰でも出来るみたいにね」と唄い出す。 それは当然 SEX を意味しているのだが、曲調はより攻撃的であり、あたかもケンカの用意が出来ているとでもいわんばかりだ。 それに対して Little Walter はもっと直接的にケンカの用意が出来ている事を宣言している。 ところが彼はガンを発射する相手を探している最中だ。 当然ガンとは男性器の意味でもある。 そしてそれは白人に対して優越性を誇示できる点でもあるワケだ。 そう彼女を見つければ、それを再度彼女に思い出させることができるハズなのだ。 彼女を見つけることができたなら・・・

ちなみに Yardbirds 等で有名な Boom Boom は John Lee Hooker のオリジナルで、この曲とは別だ。 だが曲のテーマとしては似通っている。ことによるとそれ以前にベースとなるテーマの曲があるのかもしれない。


translated by seven. Jan' 3. 2001