1,Mar.04 (月) 17:39 |
色んな人達の間で 数々の出来事を経て それでもずっとわたしと付き合ってきた このこころっていう容器(いれもの) 怖いもの知らずだったけど きみがいない わかちあうモノもなく 瞬間は鼓動で揺れ動き そう、この淀んだ酒樽の中に するとディオニソスが意地悪な笑みを浮かべ さあ無謀という名の酒だ きみを酔わす悪戯。 ・・・でも・・・ 回りを囲み でもこの仮面の下の顔を知ってる! きみの主張は小妖精達のブーイングにかき消され でも僕はこれが誰なのかを ヤツらはそれでも親指を下に向けて さあ剥ぎ取るんだ、こいつを わたしは、この疼いている容器を抱え込んだまま きみが欲しい |
4,Mar.04 (木) 16:44 |
安息日が明けたばかりの早朝からこんな仕事を押し付けられるだなんて・・・
三人の若者たちは愚痴をこぼしながら丘を登っていく。 数日前に総督閣下から呼出された彼らは、地元民にみつからないように、安息日の間にその仕事を片付けるように命じられていたのだが・・・ 丘の上の横穴式の墓には、その入り口をふさぐ巨大な円形の石が置かれていた。 とにかく女の身体以上に重いモノなんて持ったことの無い三人だ。 ただ押したんでは一向に動く気配がない。 なんとか図太い木材を見つけてきて、それをテコに石の扉をどかしたが、その時には、すでに朝陽がさしだしていた。 死臭漂う墓穴の中にいやいやながら入り込んで、さて死体を三人で担ぎ出そうとした時 外で女の驚きの声が響いた。 慌てて手を離した二人が外を覗くと、少し年増だが充分に魅力的な女がひとり、怖々と墓へと近づいてくる。 ところが外から覗き込んだ女は、先程まで死人が横たわっていた辺りに、粗末な麻布が一枚だけ取り残されているのを見つけると、急いで駆け込んできてその麻布を胸に押し付け声を上げて嘆き悲しみだした。 彼女は驚き座り込んでしまった。 後に残された三人は、こりゃ不味いと顔を見合わせる。 総督閣下にはなんて言えばいいんだい? いや知らん振りするしかないだろう。 しまった墓石を閉めておくんだった。 今から引き返すか? とんでもない。 とにかくコイツを野犬の群れに放り込むのが先。 後はそれから考えるしかない・・・ |
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マグダラのマリアが狂人の様に騒ぎながら隠れ家に走り込んできた時、ペテロは逃げそびれて未だエルサレムに残った弟子仲間達とどこに逃げ出すかの相談をしているところだった。 大変よご主人様が生き返られたのよ。 タダでさえローマの兵隊が来ないかビクビクしてるってのに、こんな狂気女が大声を立てていたんじゃ危なっかしくて仕方ない。 マリアは話しはじめた。 わたし、イエス様が十字架から下ろされた時に充分に香料で身体をお包みできなかったので、今朝残りの香料を持ってお墓に行って、誰かがあの大きな墓石をどかしてくれるまで待っていようとおもったの。 驚いたわたしは、誰かが死体を持ち出したんだと思って、中に入り込むと大声で神様にイエス様をお返しくださいと叫んだの。 こいつは面白かもしれない。 ペテロはこころの中で呟いた。 それはまさに奇跡だ。 そうだガリラヤへ帰ろう。 弟子達の顔色が一瞬に輝いた。 |