12,Jun.04 (土) 02:11
最近ヘッドホンを買った。
故郷に帰る時に乗った新幹線の車内誌の広告に載っていたヤツなんだけど、簡単に説明すると外界の騒音を消してくれるヘッドホンだ。
音とは空間の縦波、つまり伝播方向へのユレである。
とすればそのユレの常に逆方向(逆位相)の音を発生してやれば中和、つまり消す事ができる。
で実際にそれをやるヘッドホーンだというので飛びついた。

現代の生活環境はまさにノイズの渦だ。
車や電車などの騒音、冷蔵庫や洗濯機のうなり、そして部屋の中では一日中PCが冷却用ファンの回転音を撒き散らし・・・
わたしの耳はすでに悲鳴を上げている。
電車の中で音楽を聴いているのは、それが聞きたいのが半分、そして車輪のきしむ音が聞きたくないのが半分だ。
その状況から救い出してくれるなら多少の出費は我慢できるぜ。

さて入手して最初の印象は、自分の足音がこんなに大きな音だったんだって事。
多分サンプルしてるのは外界の音だけなので、身体を通して響いてくる音までは感知しづらいのだろう。
とにかく足音がヅキンヅキンと耳に響いてくる。

それと安全性の為に人間の音声付近の波長はワザと消音効果を落としているという。
おかげでヘッドホンをつけたままでコンビニのレジにならんでいられる。
つまり店員が「お弁当、温めますか」という声もわかるし、大声で「お願いします」と返事するもない。
すごいね。
さすがに21世紀だぜ・・・

ところが使い始めてすぐに気付いた致命傷がある。
このヘッドホンは確かに低周波域の音はきれいに拭い去ってくれるのだが・・・
逆に高周波の音は増えているような気がする。
原因は簡単に予想がつく。
逆位相の音が多少でも遅延/誤差をもって発生された場合、そのズレはより細かいユレとして現れてしまう。
つまり低周波の音を消し損ねた部分が高周波の音として発生しているのだろう。

とはいえ電車の中で大音量でCDをならさなくても、各プレヤーの演奏が聞き分けられるだけでもすごいじゃないか。
というわけでここ数日耳からそれを外せなくなってしまった。
そしてここ数日耳鳴りが止まないでいる・・・まったく文化ってやつは・・・