11,Jul.04 (日) 01:36
今読んでいる本「反音楽史/石井宏」からの抜粋。
パリのロッシーニを訪ねてきたワクナーが、この大先輩に向かって、音楽とは、オペラとはどうあるべきかと、彼一流の未来芸術論を箔々とぶち上げた。
ロッシーニはフムフムと相槌を打ちながら聞いていたが、どういうわけか、五分ごとに「ちょっと失礼」と言って席を立っては戻ってくる。
それが癪に障ったワグナーは腹立たしそうに言った。
「先ほどから見ていれば、あなたはしばしば中座されますが、私の話をまじめに聞こうとはなさらないのですか。」
するとロッシーニは真顔で答えた。
「あなたのお話は大変結構で、まじめに聞いております。
ただ、私は今晩はお客をお招きしておりまして、そのために子豚の丸焼きを暖炉で作っております。
これがなかなか手のかかるものでして、万遍なく焼けるよにするには五分ごとに少しずつ子豚を回転させてやらないといけませんで、そのためやむなく中座をさせていただいております...」
さてあなたはロッシーニの「セビーリャの理髪師」とワグナーの「トリスタンとイゾルデ」と、どちらがお好きかな?
・・・わたし?・・・
わたしなら赤マグロを肴にウィスキーかっくらってギター弾いてますね。