29,Jul.04 (木) 00:37
『しあわせの理由/グレッグ・イーガン』 久しぶりに本屋で手に取ったSF短編集の文庫本。 最初の短編が『適切な愛/Appropriate Love』 適切な愛とはなんだろう・・・その題名にひかれて購入。 だがこれが痛い・・・

最初のそれを読み終えて、なんなんだこいつはと思いながら、最後の書評を見ると・・・なんと解説を坂村健氏、そうあの TRON OS の設計者(自称「電脳建築家」)が書いている。 がしかし、これが S.F(Science Fiction) じゃなくて P.F(Philosophy Fictin:哲学小説) とカテゴライズしちゃいけないよ。 そう N.F(Nightmare Fiction: 悪夢小説) だね。 現代テクノロジーを理解している人間の予想しうる最悪のシナリオだ・・・

読み進むにつれて、その確信が深まった。 どれひとつとして無意識に求めてしまうハリウッド的結末がない。 どれも中途半端にハッピーエンドでデッドエンド。 だがもし自分がその主人公であるならば、おそらくは一番望まないであろう結末に至る。 きみはまだそんなでも、次を続けなくてはいけないのかい・・・

というわけで早速アマゾンで検索して二冊程購入手続きをしてしまった。 さてこんなだからわたしの悪夢も果てしなく続くのか・・・