1,Feb.05 (火) 23:48
おまえはつぶやく 「さあ夢はもうすぐだぜ」 オレもつぶやく 「そうかい、また始める気だね」 両手をあげて、諦めの溜息。 そうとも、またあの見飽きたイリュージョン。 普通の事が普通じゃなくなる、非日常という日常の中。 奇跡という名の雑事に埋もれて・・・

空いたボトルをゴミ箱の横に並べると、戸棚から次のウィスキーを取り出し、オレはそのアルミの封をツメで引っ掻きながら・・・「で、いつ出発なんだい」 答えは予想通り 「今さ、今すぐに」 仕方なくそのボトルをコートの内に潜り込ませると・・・考えたね、確かあと二本だっけ。 今度戻る時にはもう少し買い足しておくかね。

始まりはE弦の咆哮からよじれだし・・・汗がオレのアルコールに弛んだ頬骨をゆがませると、時間の歪みが白壁をホール状に押し広げ、重力を失った闇が升目状に崩れだす。 おまえはいつも唐突過ぎるぜ。 知ってるかい? 大地は摂氏数千度の血をその地表の下にたぎらせている。 解放するのはたやすいことさ。 ヤツは微笑みと共にそれを天に吹き上げる。 終わりはいつも在るものさ。 終わり、そして始まる。 そしてオレは・・・

オレは宿酔いの頭をかかえ起き上がると・・・さすがにおまえは消えたかと辺りを見渡すが・・・やっぱりおまえはオレの寝床の上で・・・次の悪ふざけを練っていやがる。 だが・・・しかし・・・オレは・・・