21,Feb.05 (月) 23:42
 まったくこんな唄もろくにうたえないだなんて・・・一度死んだ方がよさそうだぜ。 詩人が吠えた。 いやかつて詩人だった擦り切れた皮袋が吠えた。 ジニーは髪を掻き揚げるとうずくまって右手首を握り締めて・・・あんたの知った事じゃない、いえあんたにだってわかる事じゃない。 いつだって繰り返してた。 今度だって繰り返すんだ。 あんたの事じゃない。 わたしの事だよ・・・皮袋が身をよじらせてはき捨てる。 そうとも繰り返す度に擦り切れる。 お前さんの言葉は吐き出す度に擦り切れる。 呑気なチビなビッチ。 酒臭い真昼のかげろう。 さてオーディエンスは世間話に夢中だ。 マジなお前こそパフォーマンスってね・・・

 弦がはじけた。 声が上ずっている。 なけなしの宝をばらまいて、みじめさを買い漁るような・・・赤と青のステージ・ライト。 違うだろ! ビートは色をかき混ぜて、今を放り投げる。 ドコへ? それはナニを? そしてドコへ? 闇雲じゃない。 見てるんだ。 そうさ、そこへ届けと・・・そうそこへ届け・・・そうさそこに・・・

 ビッチは顔を引きつらせてステージを降りる。 それは笑顔? そうかもしれないね。 こんなもんさっていう笑いと、次は見てろよっていう自虐と・・・そして大好きさっていう戸惑いと・・・