悪者は世にはびこり富を貯えてそれを独占しようとする。　これじゃやってられませんぜ。　いや本当にそうだろうか？　金持ちは金庫に鍵を何重にかけても心配だ。　持つ者は持つが故に失う事を怖れる。　幸福な者が不幸になるのは、それを失う事を怖れた時だ。　米国は自分の自由社会を守る為に他を侵略する。　流されるのは血と汗と涙と、そして怒り。　一度贅沢をおぼえた日本は、それが序々に目減りしていくのに怯える。　このままじゃ『三国人』にも追いつかれちまう。　北を見ろ、ミサイルに細菌爆弾乗せて発射しかねない二世君主がのさばっている。　『自己責任』だ。　だが国家の邪魔はするな。　不満は嫌悪に置き換えやすい。　政治家の得意な手だぜ。　そして今夜も夕刊紙はゴシップを満載する。　酔っ払いは愚痴しかでない。　電車の中でキレた同士が殴りあう。　悲観したヤツが線路に身を投げる。　悪者は誰だ？　悪はどこにある？・・・せめて知恵があれば・・・たかが、こんな安穏としたこの日常くらい、っていう・・・そんな簡単な知恵さえあれば・・・

今朝電車で隣に座った男。　朝からスポーツ新聞を狭めて間に顔をはさむと、いかにも回りにはナニを読んでいるのか知られたくないという風に、中のページを覗きこんでいる。　バレバレだぜ。　もっとおおっぴらに広げて読んでくれよ。　オレも見たいんだからさ・・・