8,Apr.05 (金) 15:23
 時間軸平面上に描かれる音楽ってものが存在してて・・・その視点を一度体験すると、その有無が大きな違いに感じられ・・・例えば小綺麗な演奏が、方眼紙にピッタリ合わせられただけの平面的な音楽に見えたり・・・一見ガサツな様で、実は微妙なバランスで進行する演奏があったり・・・とか・・・

 ねえ聞いてみたい事がある・・・僕は自分の愚かさを許せるだろうか? きみは正直過ぎて他人を傷つける。 生まれたばかりの赤ん坊でさえ、母親に見捨てられたかと疑い、最初の泣き声を張り上げる。 ましてや僕が疑心から無縁でいられるだろうか。 あきらめ? そう、確かにそれが覚醒への道だとはいえ・・・

 『隣人と仲良く』は出来ても『隣国と仲良く』するのは至難だ。 フランス人にとってジャンヌ・ダルクは祖国を救う為に使わされた神の御使いだが、イギリス人のシェークスピアが描く彼女はフランス国王に色仕掛けで取り入った尻軽の魔女だ。 ユダヤ人とアラビア人の仲が悪いのは、なにもイスラム教以降ではない。 ローマ・ユダヤ戦争以前からお互いに何度も相手を侵略したり、逆に侵略されたりという経緯がある。 バリ島の住人(バリニーズ)は何か事件があると、大抵はジャワ人のせいにする。 同じインドネシアの中でもイスラムとヒンドゥの違いから仲がすこぶる悪い。 思うに一共同体において、その内部に発生した不満に一番利用されやすいのは、隣接する共同体への嫌悪だ。 日本ではお札にもなった明治の政治家、伊藤博文。 しかし韓国では今でも彼を暗殺した安重根が教科書に英雄として書かれているという。 暗殺者=テロリストという図式は一様には成り立たないらしい。 でもね・・・

 そんな事を考えながら、僕はベッドの彼女の隣にもぐりこんだ。 確かに眠りが安らぎだった時期もあったハズなのだけれども・・・などと訝りながら・・・時間軸の歪曲を感じ始めながら・・・