13,Aug.05 (土) 01:35
 どうでもいい事だけれども・・・『二元論』つまり世の中は『善』と『悪』の二大勢力の権力抗争だって説・・・例えば「越後屋、お前もワルよの〜」って悪代官を水戸黄門ご一行様がやっつるっていう図式が未だに人気がるように、決して過去の概念でもなさそうなのだが・・・では、どれだけ古くから存在したのだろうか? それとも人間は最初から『善』と『悪』という概念を持っていたのだろうか? いや、どうもそうではなさそうなのだ。

 最初に『二元論』が歴史に登場するのはゾロアスター教においてだ。 それまでも昼と夜、光と闇を対立する存在とする宗教/神話は存在するが、それは時として兄弟/姉妹の神格であり、『善』vs『悪』という対立構成とは違う。 例えば日本神話における天照大神は明らかに太陽神だが、対立する須佐之男命(すさのおのみこと)を『悪』神とはしない。 ところがゾロアスター以降の世界宗教は『絶対神』とそれに対抗する『悪魔』という構図でその信者を脅す。 「そんなワルさばかりしてると、地獄に落ちるよ」 「悪魔に魂を売っちまったのかい?」 といった具合だ。

 さて問題なのは、この『善/悪』とは、果たして『発見』だったのだろうか? それとも『発明』だったんじゃないのか?

 どうも最近、安部ナニガシって政治家が人気があるようだ。 小泉の次ぎに彼の首相を期待するひとも多い。 でもね、彼こそは小泉以上にガチガチの二元論者だ。 そりゃわかりやすくていいよ。 しかし『悪』とはなんだ? 「悪い事をしたヤツを許してはいけない」 では、その「悪い事」とは? そして『善』、「善い事」とは?

 どうでもいい事だけれども・・・もし未だゾロアスターが生きていたら、溜息混じりににこう言うかもしれない。 「なんだよ、善のために他人を殺す連中が出てくるだなんて」・・・