22,Nov.05 (火) 21:05
 音楽とて、符合に過ぎないのか・・・
 染色体のことを考えていた。 わずかな符合の差異で猿にも獣にも成り得たオレが、今ここで親父譲りの平面顔をしかめている。 恐ろしい話しだぜ、アンタの精子にはかくも多くの情報が詰め込まれてたんだ。
 だがしかし、ではこの酔ドレ詩人の魂とて染色体に符合化されていたというのか? 一瞬に世界が色褪せる。 ありえない話しじゃない。 歳とともに、言う事が親父に似通ってきた。 確かに言葉なぞ情報であるには違いないのだから・・・
 だがしかし、ではお前の言葉に騒ぐこの心とて、抱きしめた腕の中の温もりも、重ね合わせた唇の陶酔とても、その後姿を見送る喪失感さえも・・・情報でしかないというのかい? そんなバカな・・・オレは再度ウィスキーで舌を湿らせ、ギターを拾い上げると、酔いドレのブルースをガナリ出し・・・
 だがしかし、音楽とて、符合に過ぎないだなどと・・・