29,Apr.06 (土) 23:27
新約聖書を読めば誰でもイエスとパウロの差異に気付く。 ましてや歴史と照らし合わせれば福音書の記述の不自然さは明白になる。 あの残酷なピラトがイエスの処刑を躊躇う事などありえるだろうか。 なぜイエスの論敵は当時ユダヤの支配層であったサドカイ派ではなく、エルサレム崩壊後に唯一生き残ったパリサイ派なのか。 歴史に照らし合わせれば、図式は驚くほど簡単に見えてくる。
パウロはイエスの起こした運動をローマ世界に広める為にユダヤ教の『割礼』という風習を否定した。 結局それがパウロ派とナザレ派と呼ばれるユダヤ教の一派に留まるイエスの使徒達との決裂を生んだ。 まもなくエルサレムはユダヤ戦争により崩壊する。 (パウロ派)キリスト教会のライバルはその後も生き延びたユダヤ教パリサイ派だけだ。 彼らにはキリスト教よりは明らかに歴史的正統性がある。 しかし相手はローマに楯突いたユダヤ人の宗教だ。 だからこそ彼らは『旧約』(神との旧の契約)と『新約』(新しい契約)に分け、自分達を律法の後継者とした。 成る程ピラトでさえ、やむなくイエスの処刑に同意した事となるわけだ。
そしてコンスタンチヌス帝の登場だ。 彼はキリスト教をローマの国教とするにあたり、この宗教を都合よく変質させている。 例えば本来ユダヤ人の休日は土曜だった。 だが元来太陽神信仰の祭祀であるコンスタンチヌスはキリスト教徒の休日を太陽の日、つまり日曜に変更してしまう。 またキリスト誕生日(クリスマス)を太陽が輝く時間が一番短い日(冬至)にしたのも彼である。
だが一番の問題は彼がキリスト教の経典の正否を決定してしまった事だ。 つまり彼の時代にキリスト教はローマの国策に合う様にフィルタリングされ、合わない文書は葬り去られた疑いが強い。 今以上に多くのキリスト教文書が存在した。 死海文書やナグハマティ、そしてユダ福音書などが再発見されている。 だがそれとてその一部に過ぎない。 もっと多くの文書が存在したハズだ。 より多くのキリスト教分派が存在したハズだ。 しかし全て歴史から正統(カソリック)教会の権威により消し去られてしまう。
今おそらく一番怖い宗教/宗派はキリスト教原理主義だろう。 イスラム原理主義? テロも怖いが破滅ほどじゃない。 『神の国』の意味を知ってるかい? まさに『世界の破滅』だ。 マジに『神の国』に入る為に『世界の破滅』を求める連中が存在する。 しかも現在、連中は世界の覇権を握っている。 なにしろブッシュの支持母体なのだから・・・