嘲りをあびせられながら
アルコールを浴びるように呑んで
ポワゾン・ジャンキー
みんなの耳に毒を流し込み
呆れるぜ、あの女
愛って言葉を侮ってやがる

非常階段のドアの前に座りながら
向うに見える急斜面に生えた針葉樹林を眺め
そのまた向うに立ち塞がる高層ビルの風景
誰か僕に優しさの唄をうたってくれないかい
毒づくのにはもう飽きた
進むことも、止まることも
・・・棘薔薇の園・・・
手の中にぬくもる額の微熱
今夜は雨降るのかな
晴れてるのに重そうな空

彼女は「今日はプライベートよ」といいながら
カメラに媚びた視線を送り
ストーリーは滑り出す

シアワセがガスマスクをかぶって歩いていく
都会の空気が好きじゃないらしい
僕は彼女の風の中で
うたた寝を繰り返しているところ
向かいの座席の女性のスカートも
首がコックリと揺れる度に少しふわりと広がって
少しエロい妄想を僕の指先へと絡め
シアワセは時々、時計の針を逆戻し、先回し
お願いだ、もう一度リプレイを

シアワセはガスマスクをかぶり
・・・・・・

氷点と沸点の間
繰り返す波動
 陶酔と興醒めの座標軸

そうだよ、繰り返し過ぎなんだよ
同じ事を
何度も何度も

世界が善意で動いているワケじゃないからって
悪意で満たす必要はないよ
彼女は自慰で湿った手を休め
意地悪く微笑む
 「でもそれも気持ち良くてよ」

嘲りをあびせられながら
アルコールを浴びるように呑んで
ポワゾン・ジャンキー
みんなの耳に毒を流し込み
呆れるぜ、あの女
愛って言葉を侮ってやがる