Decadent...

煙草を吸っていた
イガラっぽい苦みが喉の奥で悲鳴を上げている
そうだ、そういえばもう二箱目
かすむ眼に目薬を落とすと、毛細血管がヒリヒリと痛んで
失明しちゃったんじゃ笑ってられないねぇ
誰かの声が頭をかすめ
グラスの氷が無くなるとキッチンの冷蔵庫にまで取りに行き
残りを確かめながらウィスキーを氷の上に垂らす
今という時間の無為さにおびえながら
惰性に慣れきった身体をソファに沈めて

キミは存在することすらヤメちまってる
僕はここに居るだけさ
世界が存在をヤメちまったみたいにね
それは泣き言みたいに聞こえるね

わたしの部屋は鉛で閉ざされた空間
ニンフ達と戯れるディオニソス
カラ回り
カラ回り
白昼夢は白壁に浮かんだブラック・ホールへと
摩耗した神経細胞が糸車に巻き取られていくかのように
カプセルの亜空間への最後のあがきの回転の繰り返し
官能的であったハズの苦汁を舌に感じながら
目の前から遠ざかる救いの手の幻影

ねむりを
やすらぎを
・・・ 

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